防災ソリューションID : JBP00128

旭イノベックス 株式会社

オートゲート

無動力自動開閉ゲート

ソリューションの特長

【オートゲート (無動力自動開閉ゲート)】
引上げ式ゲートとの比較
・水位状況に応じた自動開閉式のため、突発的な出水でも開閉のタイミングを逸することがない。
・管理人の労力を軽減し、操作遅れや誤操作などの人為的なミスを無くすことができる。
・門柱・管理橋が不要となり、コストが低減および工期の短縮が可能である。
・無動力式のため、電気等の動力源を確保できない場所にも設置でる。      
・自動開閉機構がシンプルで、維持管理が容易なため、メンテナンス費用が軽減される。
・門柱レス構造なので、景観への影響を低減できる。
・施工時の高所作業が無くなり、作業員の安全性が向上する。

ソリューションの図解

【オートゲートの構造】

オートゲート(下図)は、フラップ形式のゲートにバランスウエイトやフロートなどを取付けて、従来のフラップゲートの問題点を解消し、自動開閉の信頼性を高めるための様々な改良が加えられたゲート設備です。通常、扉体とバランスウエイトが約8°開放した状態でバランスを取っています。回転軸を介して扉体の反対側にバランスウェイトを取り付け、シーソーの原理により扉体の開閉力を減少させています。このバランス機能により、通常時でも速やかな排水性能を有し、内水排除時には扉体を大きく開放して大流量の排水を行い、ゴミなどの浮遊物も同時に流下させることができます。また、外水位が上昇した逆流防止時は、扉体の背面に取り付けているフロートの働きにより、扉体を無動力で自動閉塞させる事ができるゲート設備です。
            

ソリューションの背景

【オートゲートの普及】

樋門用ゲートは、大雨や台風などにより河川の水位(外水位)が上昇した際、堤内地に洪水が生じないようにゲートを一時的に閉塞して支川(堤内)への逆流を防止します。樋門に設置されるゲートの種類としては、ローラゲートおよびスライドゲート等の引上げ式ゲート(下図)が多く採用されていますが、これらのゲート開閉機の動力は電気(モーター)あるいは人力になります。ゲートの操作は経験ある操作人が行っており、被害を最小限にくい止めるため、操作人によるゲート開閉の判断が重要となります。しかし、洪水時のゲート操作は危険が伴う事および操作員の高齢化・操作員不足も問題になっているため、樋門用ゲートの自動開閉化が注目されています。特に樋門ゲートの中でも小規模樋門においては、無動力自動開閉タイプのゲート設備の設置が増えてきています。

ソリューションの詳解

【オートゲートの仕組み】

オートゲートの自動開閉の仕組みは、バランスウェイトとフロートをバランス良く配置することによって実現されます。オートゲートの扉体開閉力は、バランスウェイトの働きによりフラップゲートと比較して1/5程度になります。

「平常時」
扉体の前面に回転軸を配置することで、扉体本体の重心が回転軸の下方へと移動しますが、前傾したバランスウェイトと釣り合って停止する位置は、下図のように扉体が約8°開放した状態になります。

W1 × L1(ウェイト自重のモーメント)= W2 × L2(扉高自重のモーメント)




「内水排除時」
流水の動水圧を受けて扉体が開いてくると、バランスウェイトの回転モーメントは、扉体を開く方向に作用するので、微少な水位差で扉体を大きく開放することができます。フロートに接水すると扉体はさらに開放しますが、水の流れが停滞すると、扉体の開度は速やかに平常時の状態に戻ります。

W1 × L1 - W2 × L2 = Fw × Lw(水圧によるモーメント)




「逆流防止時」
水位が上昇すると、扉体の浮力とフロートの浮力は扉体が閉じる方向の回転モーメントとして作用し、ゲートを全閉させます。全閉させる水深は通常吐口高さの70%の水深で設計しますが、フロートの取付位置の変更することで、全閉させる水深を変更することができます(30~80%水深)。
ゲートが全閉になった状態でも外水位より内水位が上昇すると、扉体は微少開放して内水を排水します。

W2 × L2 - W1 × L1 ≦ F3 × L3 + F4 × L4(扉体とフロートの浮力による閉モーメント)

     
【オートゲートの効果】
無動力で自動開閉するという機能は操作員の労力を軽減するばかりでなく、ゲート開閉のタイミングを逃さず確実な治水管理をおこなう事ができます。近年集中豪雨が頻発していますが、このような突発的な出水に対しても的確に対応できます。また河川の増水時には操作員を含めた地域住民に避難勧告が出る場合もありますが、この様な場合であってもゲートが自動的に閉塞する機能を有するので、地域に与える被災を最小限に食い止め、増水後の対応も迅速に処理する事ができます。
   

ソリューションの実績や適用例

施設名:矢挿川樋管
ゲートサイズ:4.50m × 2.70m ~ 4連
所在地:千葉県 旭市



施設名:神倉川排水樋門
ゲートサイズ:4.00 × 2.10m ~ 2連
所在地:岩手県 山田町




施設名:漁太南22号樋門
ゲートサイズ:3.20m × 2.00m
所在地:北海道 千歳市

その他の参考資料








 

企業情報

旭イノベックス 株式会社

〒111-0053 東京都台東区浅草橋3-20-15 浅草橋ミハマビル本館2F

Tel. : 03-5829-6121

E-mail : i-fujiwaraasahi-grp.co.jp

Website : https://www.asahi-inovex.co.jp/

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