代表挨拶

日本防災プラットフォームの設立趣旨

2014年6月4日、国土交通省をはじめとする各省庁、及び関係者の皆様のご尽力とご理解のもとで「日本防災プラットフォーム」を正式に発足することになりましたので、その経緯と今後の歩みをご説明申し上げたいと思います。
日本は、自然災害が非常に多い国土であり、幾多の自然災害に見舞われてきましたが、毎回、多くの尊い人命の犠牲の上に、私たちは常に立ち上がり、復興を続け、次の自然災害に備えた防災・減災の努力を続けてまいりました。
その努力と実績については、産官学や市民の皆様との緊密な連携が下地にあるわけですが、我が国の防災面の取り組み全体につき、国際社会からも高い評価を勝ち得ているところであります。 防災の世界で国連加盟国間の行動指針となっている兵庫行動枠組み、通称、兵庫フレームワークは、2005年に兵庫県神戸市で開かれた「第二回国連防災世界会議」で採択されました、防災分野における世界で初の国際合意であり、その合意に至っては日本政府及び関係者の方々の並々ならないご尽力があったことは周知の事実であります。
一方、世界の現状でございますが、ヨーロッパの保険会社の調査によりますと、2013年だけで、全世界で880件の自然災害が起こっており、その被害総額は1250億ドル(邦貨で約12兆5千億円)に上る等、世界各国で自然災害による被害が引き続き発生しております。これは、2013年には毎日どこかで二つ以上の自然災害が起こっていたことを意味します。
日本語の防災と言う言葉には、自然災害に対して、計画、準備、防御、予測、警報、避難、救助、復興という各段階において人命、財産の損失を軽減させる総合的な取り組み、という意味が込められています。一方、海外においては、災害が発生した後に、その復旧のための投資を行う活動が中心でした。ただし、復旧のための投資はそれまでの蓄積をゼロから立て直す必要があるなど、非常に効率が悪く、また、その災害による大きなダメージは持続的な開発の大きな障害となってくることが明らかになってきております。それらの動きを受け、国連や世界銀行では、地球温暖化も含む気候変動の影響や都市への人口集中化の流れから、今後さらに災害発生の頻度が増えるとの予測を踏まえて、災害発生後の救援もさることながら、被害を最小限に抑えるための事前対策に対する投資を呼びかけており、まさに「防災力を高めるための事前投資や防災の主流化」が重要なテーマとなっております。
そして、現在までに数多くの災害を乗り越えて、社会経済の発展を達成してきた我が国日本の役割は大きく、今後、世界が防災に関わる事前投資にむけて大きく舵を切っていく中で日本政府は世界に防災分野で貢献することを公約しております。
そのような流れの中で、日本の官・民・学のそれぞれの強みとノウハウを持ち寄り、組み合わせることによって、世界各国の人々にとって意味のある成果が生まれうると考えます。特に、官の総合的防災行政のノウハウと、民間の実践的な専門技術力と、学の最新の知見が組み合わされることによって、今までにない付加価値を生み出すことが可能になるのではないでしょうか?
しかしながら、今までのところ、行政、業界、専門分野の縦割りの枠組みを超えて、国際防災というテーマによる横串を通す形で、合目的な協働をするような「場」がございませんでした。この度、「日本防災プラットフォーム」を設立するのは、まさに、そのような横串の連携を行うための「場づくり」であると言えます。
この場においては、2つのことを行います。
  1. 日本政府が各国と覚書等により進めている防災協働対話において、日本政府と連携をしながら、対話を行う各国の個別事情や潜在的なニーズを真摯に理解した活動を行います。現地発のリバースイノベーションを興すことも考慮し、業界の枠を超えた連携を行い、具体的な事例を通して、ビジネスモデル自体の構築を行い、他国への展開も視野に入れます。

  2. 日本の民間部門には、大企業からベンチャー企業まで、様々なノウハウをもつ企業が点在していることもあり、また、防災という幅が広い分野においては、世界銀行をはじめとする国際社会の皆様から、日本のノウハウがバラバラでよくわからないという声が聞かれます。当プラットフォームは、防災という共通のテーマについての国際社会に向けた情報交流のハブでもあり、国際社会に対して、当プラットフォームが俯瞰的に情報を発信できる場にしていきます。
2014年6月4日を境に、多様な方々が当プラットフォームにご参加頂き、それぞれの強みや知恵を組み合わせながら、課題先進国である日本が国際社会へ持続的に貢献するための「場」を構築したいという志のもとで、設立のご挨拶を申し上げました。
 日本防災プラットフォーム
代表 西口 尚宏
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