防災ソリューションID : JBP00001

株式会社 技研製作所

インプラント堤防

地震や津波に粘り強く耐え続ける強靭な堤防

ソリューションの特長

インプラント堤防は、地震と津波による複合災害の発生を事前に防止する防災インフラです。堤体の中心を貫く"背骨" が地中に深く根を張って地盤と一体化し、地震動による地盤変位や津波などの外力を受けても地球に支えられるため、決壊・転倒・滑動することなく、その場に耐え留まって防災機能を発揮し続けます。

ソリューションの図解

主要な5つの防災機能
インプラント堤防には、強靭な防災インフラとして5つの主要な機能があります。ここでは、高知県, 高知大学, 技研製作所による産官学共同研究の成果を踏まえ、既存堤防を二重鋼矢板壁で補強する工法を例に、その効果を説明いたします。

ソリューションの背景

数百年前からある"伝統的"な堤防
海岸や河川の堤防は、はるか昔の時代から土砂、石、レンガなど使用した盛り土形式が主流です。近年、コンクリートも用いられますが、地表の出来事に変わりありません。それはまるで、のんびり寝そべる牛さんに、獰猛なライオンの急襲を防いでもらおうという発想です。

東日本大震災で露見した脆弱性
2011年、大自然のエネルギーが東北地方の地盤を激しく揺さぶり、津波の猛威となって"伝統的"な堤防をなぎ倒し、1万8500名の尊い人生を奪い去りました。そもそも防災インフラとは、平時は無用の長物扱いされても、災害時にはスーパーヒーローに変身し、防災機能の真価を発揮して生命・財産・文化・生活を死守するための構造物です。ところが、大震災という一世一代の晴れ舞台で、当たり前のように体調を崩して降板してしまったのです。私たちは、そんな堤防に多額の血税と膨大な工期を費やし、生命と生活を預けているのです。防災にこそ、科学的思考に基づき、既成概念にとらわれない柔軟な思考で、最先端の科学技術を導入すべきなのです。

構造革命から始める防災・減災
技研製作所は、東日本大震災によって既存堤防の脆弱性が露見する10年以上前から、地表に置くだけのフーチング構造ではなく、地中に根を張るインプラント構造であるべきだと訴えてきました。アゴの骨と一体化した天然の歯が、総入れ歯より強靭で機能的なことは、全く議論の余地がありません。来るべき南海トラフ巨大地震対策に向け、インプラント堤防は2012年から国直轄の堤防改良工事に採用されています。
 

ソリューションの詳解

インプラント構造(基本原理)
インプラント構造は、躯体部と基礎部が一体となった許容構造部材を地盤に挿し込み、地球にしっかりと支えてもらう構造です。許容構造部材の「大きさ」と「地盤への貫入深さ」で水平荷重や鉛直荷重を受け止める構造で、許容構造部材の一本一本が地球に支えられ集合体として高い耐力を発揮します。そのため、地震動による地盤変位や津波などの外力に対して、崩壊せずその場に耐え留まる"粘り強い"防災インフラとして機能します。

インプラント堤防(防災適用例)
インプラント構造の優位性を適用した、地震津波を典型とする海からの水の脅威に対する防災インフラの一つが、インプラント堤防です。堤体に剛性の高い鋼杭を設置する(背骨を貫く)ことで、地震による側方流動や地盤沈下が引き起こす堤防決壊を防ぐことができます。また、上方に杭長を伸ばせば堤防高のかさ上げによる高潮や洪水対策も強化できます。地震や津波で、たとえ堤防前面のコンクリート部が損壊しても、鋼杭は耐え残り、防災インフラとしての堤防機能を保持し続けます。主要な5つの防災機能は、先に図解した通りです。

インプラント工法(建設技術)
インプラント堤防の背骨となる鋼杭壁は、施工済みの杭を複数本つかんで反力とし、次の杭に油圧力を加えて地中に押し込んでいく「圧入工法」で施工します。そのための「圧入機」や「周辺システム機器」は、既設杭の天端を作業軌道として工事を進めるので、傾斜地でも水上でも、建物に近接した狭い場所でも、仮設工事は不要です。つまり、環境性、安全性、急速性、経済性、文化性で構成される「建設の五大原則」を、高次元かつバランスよく遵守した工法(インプラント工法)なのです。

ソリューションの実績や適用例

予防に勝る治療無し
史上最悪のシナリオで描かれた南海トラフ巨大地震に対し、インプラント堤防は発災時に求められる防災機能を十分発揮できる設計です。数百年前から方法で、地表の盛り土をいくら幅広く、背を高くしたところで何も解決しません。来るべき地震・津波災害に対し、事前にインプラント堤防を構築しておくことが、最優先に取組むべき解決策です。予防に勝る治療無し。科学的に誤った健康法を信奉したら、いざという時に病気で命を落としかねません。インプラント堤防は、建設に仮設構台など必要なく、急速施工が可能ですので、事前防災が最善ですが、既存堤防の緊急復旧やビルドバックベター(より良い復興)にも効果的に適用させられます。

近年の導入実績
南海トラフ巨大地震対策に取組む国土交通省と高知県は、2012年からインプラント堤防を採用し、清流「仁淀川」の河口や月の名所「桂浜」などに面する高知海岸一帯の堤防改良工事を進めています。既存堤防の状態や周辺環境によって、インプラント堤防の形式は一列の鋼管連続杭壁や二列の鋼矢板二重壁など、最適な構造が設計されています。

また、観光名所としても知られる神奈川県鎌倉市では、相模湾に面した幹線道路(国道134号線)の擁壁の崩壊や基礎の老朽化が進んでおり、防災上の観点からも地域住民の方々の深刻な問題でした。その長年の懸案事項を、現況交通を阻害することなく、既存の基礎を残置したまま機能強化を図るインプラント堤防(道路擁壁)が解決しました(下の写真で左端)。当然、東日本大震災における"より良い復興"のためにも、数々のインプラント堤防を建設し、次の世代につながる防災インフラを整備しています(下の写真、右の二枚で岩手県大船渡市と釜石市の案件)。

企業情報

株式会社 技研製作所

〒135-0063 東京都江東区有明1丁目3番28号

Tel. : 03-3528-1630

E-mail : projectgiken.com

Website : https://www.giken.com/ja/

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