防災ソリューションID : JBP00102

大成建設 株式会社

ポストヘッドバー工法

地下施設において片側から施工可能なせん断補強工法

ソリューションの特長

・コンクリート構造物にドリルで削孔した孔内に専用のモルタルを充填し,鉄筋の両端に定着性能向上のために摩擦圧接したプレートを有するポストヘッドバー(Post-Head-bar,略称PHb)を挿入して定着するせん断補強工法です.
・背面に地盤があり片側からしか施工できない地中構造物などに対して,部材の片側(内空側)のみからの施工が可能です.
・特殊コアドリルの使用により,狭い作業空間でも適用可能です.
・PHbは既設部材に埋設されるため内空を侵すことがなく,かぶり部分によって腐食に対する抵抗性が確保されます.
・施工条件に応じて,片端矩形プレート型,両端円形プレート型,機械式継手型のPHbから選択でき,幅広い鉄筋種類および鉄筋径に対応していることから合理的なせん断補強工事が可能です.

ソリューションの図解

ソリューションの背景

1980年以前に設計された構造物を現在の基準に従って照査するとせん断耐力が不足するものがあります.この場合,脆性的な破壊形態であるせん断破壊型のモードからじん性のある曲げ破壊型のモードに移行させるために,適切なせん断補強を行う必要があります.
 壁部材の面外方向地震力に対する耐震補強を考える際には,巻立てができない条件下で,曲げ耐力を増加させずにせん断耐力のみを増加させることが求められる場合があります.この種の耐震補強が必要となる壁部材には供用中の地中ボックスカルバートなどがあり,背面地盤を掘削してRC増厚を行う補強方法が一案であります.しかし,地盤を掘削すると莫大な費用と工期を要するとともに曲げ耐力も増加するため,内空側の片側からの施工でせん断補強のみが可能な工法の開発が望まれました.また,供用中の構造物に対して補強を行う場合,作業を行うことが可能な空間が十分に確保できないために,大型の重機などを用いることなく狭隘部での施工を行うことが求められることも数多くあります.
 このような場合に適用可能で,せん断耐力のみを向上させることができる補強技術として開発したものがポストヘッドバー工法です.
 

ソリューションの詳解

施工にあたり,事前に既設構造物の表面付近に存在する鉄筋を探査して位置を確認します.その結果より,既存の鉄筋に干渉しない位置であることを確認した上で,背面側の主鉄筋位置手前まで専用のドリルを用いて削孔します.ドリルには,施工架台を用いて方向制御可能なパーカッション型レッグドリル(PHbドリル)を用います.削孔完了後,孔内をモルタルで充填した後にPHbを挿入して定着します.

ソリューションの実績や適用例

企業情報

大成建設 株式会社

〒163-0606 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル

Tel. : 03-3348-1111

E-mail : tanemurace.taisei.co.jp

Website : http://www.taisei.co.jp

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